メタモード
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タイトル | メタモード | |
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メーカー | コーエー(現コーエーテクモゲームス) | |
公式HP | 製品案内ページ | |
変身度 | 正統派からファンタジー、イロモノだろうが兎に角変身!
条件満たせば実は異性にも変身できたり… |
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アクション度 | パッと見聖剣・ゼルダ系、溜めコマンドで技使い分け。
その数一度に12種類!常時発動アビリティもあるぞ |
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メタモー度 | その見た目はただのマヨネーズ。
変身できる原理やどうやって作られたかは不明(笑) 世界観設定や雰囲気はちとズレててあんにゅい。 |
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参考プレイ時間 | シナリオクリアだけならサックリ8時間程度。 変身やわざを極めても短め。 |
変身! 対戦! メタモード!!
ってCMが合った記憶があるんですよ。有ったんですよ。
しかし、ググっても一切引っかからない所を見ると、相当マイナーな作品であることが伺えますが、
GBの作品にしては非常にたくさんの要素を詰め込み、そつなくまとめ上げられている一作です。
各地に蔓延る(悪気はないけど)力の有り余るモンスター達、
こいつらと人が上手く付き合って日常生活するには自己防衛のための力が必要だ!
そこで作られたのが『メタモード』。これを使うと様々な姿に変身して、モンスターたちとやり合うための能力が身に付く。
メタモードで変身できるよう自らを鍛えた町の人たちは、モンスターから街を守る警備組織クールスを作り上げたのだ。
いとこのコネで、クールスに入隊するための訓練施設「虎の穴」に入ることになった主人公。
無職でパンピーな俺も『メタモード』を使って、世界を守るためさぁ変身だ!
メチャクチャ強くて技もスゴくて見た目もイケイケなヤツら(個人差有)に変身!
「メタモード」という名前の通り、本作の売りはメタモルフォーゼこと『変身』である。
ゲームを始めた時点ではただの「パンピー」である主人公だが、
メタモードの力によって「けんし」や「ナース」などの様々な『すがた』に変身できる。
「すがた」に応じた技を習得し、冒険やモンスターとの戦いで役に立つ。
経験を積んで新しい技を覚えることでその「すがた」を極めることができ、
複数の「すがた」を極めると、新たな「すがた」に変身できるようになっていく。
「パラディン」「ウィザード」のようなファンタジー系もあれば、「ろうにん」「ごさく」のような和風系、
「ドクター」「だいく」のような実在系もあり、「きんたろう」やら「タイムゲータ」、
「スパイ」「サブマリナー」「ポチ」とか世界観完全無視のイケてる職業からネタ枠まで
用意されているので、色んな姿に変身してマスターしていこう。
低年齢層向けのポップな絵柄なのでカッコいいと思うかはちょっと微妙だが、
女の子向けのへんしん姿とかはかわいい。奇抜なデザインが多いので単なる強化のための手段に留まらず、
このすがたはどんなふうに変わるのだろう?と収集欲も掻き立てられる。
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最初のすがた『パンピー』 とくいわざはアイテムが使えるようになる「どうぐ」。 いわゆるすっぴんである。 |
船乗りのような『サブマリナー』 とくいわざは水に関する技が使える「マリン」。 「ふじょう」で水の上も歩けるようになる。 |
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剣技系初級職『けんし』 とくいわざはが剣による攻撃の「けんどう」。 剣・盾・兜が装備できるようになる「めんきょ」も。 |
最後まで使える『ドクター』 とくいわざは体力回復専門「てあて」。 みようみまね→じっしゅう→りんしょう→かんご。 |
膨大なわざを身に付け、フィールドで使いまくれ!
『わざ』は沢山ある「すがた」ごとに盛りだくさん用意されている。その数500種以上。
基本は攻撃技。通常攻撃同様前方に攻撃する(威力強化)ものだったり、通常攻撃とは異なる属性を使えるようになるものも多いが、
突進したり遠距離攻撃するなどアクション自体が変化する物や回復技や相手に状態異常を与える物もある。
この手の「フィールドでアクションする」わざは一度に最大12個装備することが可能。
『一度に最大12個のアクションを設定できる』のは他のアクションRPGでもなかなかお目にかかれない。
というが、そもそもコレはGBのアクションRPGだ。
見た目が似ている(むしろメタモードが追従している)初代聖剣伝説はボタンを攻撃とアイテム・魔法使用に割り振り、魔法やアイテムはメニュー選択式、
ゼル伝シリーズですら基本A・Bボタンアイテム装備切り替えなのでその器用さが分かるだろう。
詳細は後述するが、『「FFVのジョブアビリティシステム」を「聖剣伝説のアクションパート」に組み込んだ』感じ。
たくさんの技と姿で並み居る敵を次々倒して強くなるのが『メタモード』の醍醐味だ。
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下側がセットしているわざ。 ゲンキはHPでトクシュはMPみたいなものです。 |
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多機能なメタモードのアクション!
メタモードのアクション入力は「Aボタンのみ」「Bボタンのみ」「十字キー押しながらA」「十字キー押しながらB」の4系統。
まずこの4系統に「すがた」ごとの「とくいわざ」をセットする。所謂大カテゴリ。
Aには『けんどう』、Bには『てあて』、十字Aには『マリン』、十字Bには『どうぐ』といった感じ。
これに加えて「ボタンチョイ溜め押しのS」「ソコソコ溜め押しのM」「最大チャージのL」の三種に割り振る。
習得できる技にはSMLの3クラス存在し、それぞれ対応したところにセットできる。
Aボタンに『けんし』をセットした場合なら、「S:めん」、「M:こて」、「L:どう」「L:つき」の最大4つのわざから3つをセット。
(M・Lランクの部分に下位のS・Mランクの技をセットすることも可能。ただしその逆は出来ない)
そして「プラス(P)」カテゴリがある。これは常時発動する『移動をサポートする技』
『他の姿でも特定の装備を可能にする技』などのPわざをセットする部分だ。最大4つまでセット可能。
これで『けんし』の「けんどう」で敵を切り、『ドクター』の「てあて」で自分のゲンキ(HP)を回復し、
『パンピー』の「どうぐ」でアイテムを使用し、『サブマリナー』の「マリン」で属性攻撃…(あとプラスわざでその他もろもろ強化)を使えるようになった。
一つ一つセットする場合手間はそこそこかかるが、
変身してすがたを変えるたびにわざの自動セット・武器防具の自動装備機能があるため、
ものぐさな人も安心してほしい。なお溜め押し中は画面にどれだけ溜めているか・どのアクションを発動するかが表示される。
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すがたには「装備できる武具の種類」とくいわざには「必要な装備」が決まっているので注意。 なお、今現在変身している姿のとくいわざを一切使わないこともできる。 |
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気軽に遊んでもいいし、やり込んでもいいし
本編となるストーリーはそこまで長くはない。難易度も高くない。
大体のダンジョンはフロアにいる敵をすべて倒せば道が開けるので、大掛かりなナゾ解きもない。
だが、すがた・わざ・モンスター図鑑は標準装備、DQ6宜しく装備品とすがたが重要な仮装コンテスト、
通信ケーブルで2人同時プレイ(因みにこれをしないと解放されないダンジョンがある)、アイテム合成など、
ちょっと遊びこもうと思えばその余地は残されている。
見た目ポップで、明るい曲を聞きながらさくっと冒険してもいいし、
図鑑コンプの為に変身しまくって技使いまくりで敵倒しまくりでもいいのだ。
もし本ソフトを持っている友人がいたら、お誘いの上マルチプレイでもしましょう。
実用性は兎も角闘技場もあります。
メタモード
設定や世界観が投げっぱなしなのは、低年齢層向けRPGだから仕方ないとしても、
シナリオは「自分が所属することになった正義の組織で偶然内部反乱者を見つけてしまい、
口止めのために遥か遠くに飛ばされてしまい本部を目指して冒険する」なのはちょっといただけないと思った。
こういうのは正義の組織に所属して依頼をこなしていく中で、こういう事件もあるって程度にしてほしかった。
難易度は低い。ボスの攻撃パターンが単調なのも残念。
線密なアクションは要求されませんが、ダメージ床やベルトコンベアなどは厄介なので、
それらに対応できる技をセットしておきたい。そのためにある程度の稼ぎは必要。
あと、八方向に移動できるが上下左右にしか攻撃できないのはいただけない。
システム面で言うと、やれることが多い代わりに、各種メニュー画面はGBの狭い画面でギチギチ。
図鑑などのページ送り機能が不便。わざも多数あるが、属性違い・上位互換も多くそこまで差別化できていないものも。
フィールドでの攻撃時や被ダメ時にダメージ量を数値で表示してくれないため、新しく習得したすがた・わざで強くなれたかを視認しにくいのは残念。
マップエリア移動や新しいすがたの習得には特定の施設を経由しないといけない部分は不便。
問題点は書いたがスペックに依存している部分が多いので、GBのアクションRPGとしてみればよく出来た作品です。