真・女神転生 STRANGE JOURNEY
トップページ > ゲームレビュー > ニンテンドーDS > 真・女神転生 STRANGE JOURNEY
タイトル | 真・女神転生 STRANGE JOURNEY | |
---|---|---|
メーカー | アトラス(現インデックス) | |
公式HP | http://megamisj.atlusnet.jp/ | |
旅の行き当たりばったり度 | 人類未踏の世界だし仕方ない | |
任務のやりがい度 | 戦闘・合体・交渉・育成・収集全ての面で 充実した(死と隣り合わせの)生活を送れるぞ |
|
ABキャンセル度 | 納得がいくスキル継承まで粘る。粘れ! | |
参考プレイ時間 | 1ルートクリアまで約90時間 悪魔全書埋めやEXミッションもどうぞ |
旅は道連れ 世は終末 悪魔に情けはない
世界を救うという辛いはずの旅も、悪魔と言う道連れがいれば楽しくなること請け合い。
しかもその道連れが強くなったり、合体したり、アイテムくれたりすりゃあ、旅はそう簡単に終わってほしくないものである。
だがやっぱりこいつら、交渉と言い、合体と言い、そう簡単に思い通りにはならなかったりするんだよな。
と言うわけで、人類が強大な神や悪魔達と対峙し、喧嘩したり仲良くなったりしながら
虐げたり虐げられたりする愉快なRPGシリーズ『女神転生』シリーズのDS作品「真・女神転生 STRANGE JOURNEY」の紹介なのです。
プレイヤーの挑戦や努力がそのまま帰ってくる各要素
このゲームのいいところはコレ。
悪魔を仲間にすること、悪魔を鍛えること、悪魔を合体すること、
自分自身を鍛えること、ダンジョンを探索すること、
素材を集めること、新しいアイテムを手に入れること…『ゲームを構成する全てが無駄なく繋がっている』ので、
シナリオのクリアという目的はあれど、自発的に小さな目標を作ってゲームを進めて行ける。
「ダンジョンに入ったら自分を鍛える」「自分の実力が付いてきたら交渉して仲魔を増やす」
「レベルが上がったら、合体でより強い新しい仲魔を作る」「新しい仲魔を鍛えてデビルソース(※後述)をもらう」
「手に入れたデビルソースでより有用なスキルを持った仲間を作る」
「仲魔を作れば敵として出会うであろう悪魔の能力が事前にわかる」
「ダンジョンを探索したり、鍛えるために悪魔を倒せばアイテムが手に入る」
「手に入ったアイテムで戦闘を有利にする消費アイテム・装備等を作る」
「ボスと戦って次のダンジョンに挑む」「本編とは別に用意されたEXミッションに挑戦し特典を手に入れる」
仮に強敵と出くわして行き詰っても、次にやれることはたくさんある。突破口は自分(と仲魔達)の力で見つけ出せる。
|
プレイヤーの努力がプレイに生きる一例「デビルアナライズ」 合体で仲魔を作ったり悪魔と何度も戦うと、解析度が上がり戦闘時に表示される情報が増える。 仲魔の編成や合体でのスキル遺伝にも気を使い、相手の弱点を突いて有利に戦いを進めよう。 |
---|
スキルを付加するデビルソース
『デビルソース』は条件を満たしたとき仲魔から採れるスキルの塊。
デビルソースに記録されたスキルは悪魔の種類ごとに異なる上、
他の悪魔との合体で引き継いだスキルも一部デビルソースに記録される。
悪魔合体の時に使えば、本来のスキル遺伝ルールでは引き継げないスキルも覚えさせることだってできる。
ここぞという時に属性耐性・反射スキルがあるデビルソースを使って補ったり、
能力も覚えるスキルも優秀な仲魔をさらに底上げするためにブースト系スキルを足す…
デビルソースは使い切りだが、活用法は無限大だ。仲魔を増やせばガンガン手に入るし。
|
これが本作特有のシステム「デビルソース」 解析度を最大まで上げた仲魔がレベルアップした時に1つ頂けるアイテム。 貴重なスキルや属性耐性等が付いていることも多いので使い所に悩む。 |
---|
未知なる異空間に潜む個性豊かな悪魔たち
上記で述べた膨大な要素を支えるのは、他ならぬ仲魔となる『悪魔』たちである。
悪魔達の姿形、出典元が魅力となるのはもちろんのこと、やはり個々の能力・スキルがカギを握る。
ダンジョンでの探索や戦闘を円滑に進めるために様々な仲間を集め、
次なる姿とスキル遺伝を考えて合体表と睨めっこする。現時点で作ることができる最高レベルの仲間を加えても、
デビルソースの取得のため、悪魔の弱点の解析や悪魔全書埋めのため、
有用なスキルの再遺伝のため、何度も仲魔を悪魔全書から呼び出し、
出来る限りの合体パターンを埋めたくなる。
こうして本題である世界の危機という状況なんてお構いなしに、
悪魔と仲良くすることに夢中になってしまうのだ。
|
シリーズおなじみの悪魔合体表。 レベルが高い悪魔がいたら『いつかお前を作ってやる…!』と思うこと請け合い。 なお、特別な悪魔の組み合わせで強力な仲魔を作る「特殊合体」ももちろん健在。 |
---|
"人類の所業"が映し出される世界観
地球はいつ滅んでもおかしくない状況の中、
密閉された異空間での活動を余儀なくされ、悪魔達、それを生み出す地球意思に翻弄される隊員たち。
おまけに異なる考え方を持つ第三、第四の勢力まで入り込んで対立しあう。
はたして悪魔と仲良くしてていいのだろうか?
そもそもシュバルツバースから出れるのだろうか?
シュバルツバースから出ても人類の過ちを止めることができるのだろうか?
あらゆる疑問と主張がぶつかり合う中で、自分自身も誰の考え方に同調して
どのスタンスに身を置くことになるのか悩むことになるだろう。
多くの仲間(仲魔)達と共に旅を続けて、その答えを出し世界の結末を見てほしい。
ストーリーの演出面はちょっと淡々としているが、共に行動する隊員たち、立ちふさがる地球意思、
各ダンジョンで生活する悪魔たち、キーパーソンはどいつもこいつもキャラが立っている。
旅の辛かった思い出
問題点はやっぱり即死攻撃(ハマ・ムド)関係かなぁ。
主人公が死ぬと全滅なので、序中盤は終始これにおびえることになる。
人間は破魔にしか耐性を持たないのでダークベスト(呪殺耐性装備)をしばらく付けざるを得ない。
あと、石化耐性リングも。コレのせいでちょっと装備を選ぶ余裕がなかった。
フィールド移動速度はもうちょっと早くしても良かったと思う。
各種サーチ(アイテム回収・隠し扉)などの演出もテンポを阻害している。
特にフォルマサーチは頻繁に使うので、メッセージ表示などをもっと簡易にしてほしかった。
スキルの引き継ぎに関してだが、引き継がれるスキルは候補の中からランダムで、
合体をキャンセルするたびに候補が再選択される。狙ったスキルを引き継がせるために
ABキャンセルを繰り返さなきゃならないのは非常に不便。
本作以降の作品では改善されている問題点だけあって、
本当に惜しい。